*不器用な赤*
ー赤い涙ー

「ごめん…,ホントごめん…」



「…」



「許してください…

今は許せないか…


でも,本当にごめん.」




A君はひたすら謝る.



あー,

どうして柄にもなく,


頑張っちゃったんだろ.



私は見栄っ張りだ.


「いいよ.もう.

仕方ないし.

どうしようもないし.

うん.」


私は,彼を責めたくはなかった.


でも,

謝られるたびに,

心は沈んで,

虚しくて,


全然,大丈夫なんかじゃなかった.


もう,いいよって,

そんな風に思えなかった.



バレンタインの日.