翌朝,



同じように広場の前を通ると,



昨日の猫は,そのままそこにいた.


いや,少し移動していた.



俺が置いたカイロの上にいた.




ほんとに,にゃんみてぇだな.



俺は,昨日と同じように話しかけた.



にゃんは,こちらを向くと,




小さく鳴いた.


俺がカイロをシャカシャカ振って,



呼んでやると,


こちらに近づいてきた.



そっと,撫でてやると,



また小さく鳴いた.



俺は,その小さなにゃんをそっと抱き上げ,



来た道を引き返した.