「…もうわかっていると
  
  思うんだけど…

  


  私は,A君のことが好きだよ.」



過去のことなので,

彼をここではA君と呼ばせてもらう.


私はやっとの思いで,

告白をした.



「ありがとう.


 嬉しいよ.すごく.

 俺,全然ダメなやつだけど,

 これからよろしくお願いします.」



「・・・。」



私は絶句した.

多少の喜びはあったと思う.

けれど・・・.



これって,

これって,


つまりOKなのか?



「え.


 …あ.


 うん.

 よろしく.」




私は,

私は,


愚かなことに,



告白が成功した後のことを,



まるで考えていなかった….






まわりは真っ青な新緑で,


蝉の盛大な鳴声は,

先の不安を物語っていた.