俺はとりあえず,


後輩から中学の教科書とか問題集とかを片っ端から譲り受け,



1から勉強し直した.


ホントに1から.



周りは,


お前進学すんのかよw


って笑ってたな.


彼女はわりと嬉しそうにしてたっけ.




最初はな.






まぁ,彼女の気持ちも分からなくもない.


あとから勉強しだしたくせに,



俺の方が成績よくなっちまって,



そりゃあ,


腹立つわな.



水戸黄門の歌かよって.



その彼女とは終わりになったのは言うまでもない.



俺は,


行くつもりもなかったそこそこの大学に進学を決め,


よくわからないが今の生活に至るが,




俺にとって強烈な思い出は,

もう一つある.


俺のノートが今も白いままだったら,



俺がお前を見つけることもなかっただろう.



今が適当じゃないとは言わないけど,



俺はお前に恥じないよう平凡に生きているつもりだ.