カラー。

冴俊が再び口を開こうとした時に,


もっと面倒な奴がゼミ室に入ってきた.


今日も相変わらず,

青い.


青いパーカーを羽織ったその男は,

片手に紙袋を下げていた.


「先輩ちわーっす!」


冴俊が適当な挨拶をする.


私も続いて挨拶した.


「うす.」


先輩も適当に挨拶を返して,

不気味な笑みを浮かべながら,

いつもの定位置に腰を下ろした.


この青い男が,

私を苦しませる元凶.


どうか私に穏やかな日々をと願い続けてはいるけれど,


未だかつて,
そんな日々は訪れたことがないのである.