何故、夕方になってそんなところにいるのか分からなくて、ラフな格好に着替えた私は、武道場に行ってみることにした。



「…面!面!」



「…?」



道場に近づくと、子供の声が聞こえてきた。



この発声って……。



道場に着き、入り口から中を覗く。



「面!胴!小手!」



中で行われていたのは、剣道。



いろんなところで小学生達が竹刀を振っている。



「あら、琥珀」



「お婆ちゃん」



私に気づいた、道着姿のお婆ちゃんが近寄ってきた。



「何してるの?」



「剣道会の知り合いに誘われてね。小学生に稽古を付けているのよ」



「へぇ……」



お婆ちゃんは確か、四段の腕前なんだっけ。



再び道場を見回す。



小学生に混じって、幼稚園児までもが汗を流しながら練習をしていて。



「一緒にどう?」