声変わり【完】

『――』
昨日まで私を呼んでいた声は、私とそんなに変わらない声だったのに。
「――。おはよ」
突然変わった。
私より高い背になって。
私より大きな足になって。
私より大きく角張った手になって。
私より……。
まるで私よりも大人になってしまったようで。
「あーあ。置いてかれちゃった」
「え?」
「うんん……なんでもない。声、低くなったね」
「うん。朝起きたら突然声が低くなってて、びっくりした」
照れくさそうに笑う彼は私の知る彼とは違う、
ちょっと大人な彼。
「羨ましいな、男の子って」
「そうか?」


END