―ピンポーン 「あ、はーい!…誰だろう?」 二学期が始まって早数週間 家で勉強をしているとインターホンが鳴った 「どちらさ…ま…」 ドアを開けた瞬間固まってしまった いや、体は小刻みに震えていたが動けなかった だって、ドアの向こうにいたのは― 「久しぶりね。栞那」 ―半年程行方をくらましていた 実の母だったから 「お…おか…さん…?」 「そうよ?ただいま」 そう言って家に入るお母さん