─4月、新学期 水色の空に、愛らしい桃色の花びらが舞う 「綺麗…」 私、如月栞那は窓の外の景色に視線を奪われた 「桜が好きなのかい?」 目の前に座る岡崎(オカザキ)校長先生が、そんな私を見て微笑む 人当たりの良さそうな優しい笑顔の校長先生だが、緊張している私は掠れた声で「…はい」と返した それに続くように、校長室をノックする音がする 「遅くなりました」