俺様王子様に振り回されて

森井はまだ残ってる私の弁当を見て、首をかしげた。



「石原、腹減ってたんじゃないのか?

まだ食べ終わってねぇのかよ。」


「そ、それはっ・・・・・・

私、誰かに弁当作るなんて初めてで、ちょっと緊張してたんだよ!」



あわあわとそう言えば、森井はパチクリとした。



「誰かに弁当作るなんて、初めて?」


森井はそう聞き返してきたから、私は頷いた。



「ああ。初めて。」




すると森井はなぜか、嬉しそうにニヤニヤし始めた。



「・・・そっか・・・初めてか・・・そうか・・・・・・」


なんかブツブツ呟く森井。




かなりの不審行動もサマになるって・・・イケメンってすげぇな。


イケメンの凄さに感心しつつ、私は食べるのを再開させた。



その間中、なぜか森井は上機嫌で、私を見ていた。








・・・・・・一体何があったんだろう・・・。



疑問に思いながらも、弁当を食べ終えた。





「ごちそうさまでした。」

キーンコーンカーンコーン・・・




そう、手を合わせたと同時に、計らったかのように予鈴が鳴った。





「うお!ヤベェじゃん!」


慌てて弁当を片付け、立ち上がった私。



森井は、そんな私に言った。


「じゃ、授業頑張れよ。」



・・・・・・・・・は?


「お前は?」


「サボり。」



・・・・・・・・・・・・おい!!!



「お前なぁ・・・」


呆れたように見るも、森井はいたって平然としていて。



「あ、明日も俺に弁当作って来いよ。

屋上で一緒に食べるぞ。」


とのご命令までしやがった。



「・・・明日も!?」


「おう。つーか、毎日だから。」


「毎日!?」


羽依との時間はどうなるんだよ!?