「だからっ!!!茜が何かしたかって聞いてんの!!!」



羽依の大声が聞こえた。


かなりご立腹のご様子。





「・・・・・・羽依?どした?」


首を傾げつつ羽依の所へ行き、見知った顔を見つけた。





羽依と相対していたのは・・・森井の彼女だと言っていた、綺麗な女。


同じクラスだったのか。





今は4月下旬。



クラス替えをして数瞬間はたったけれど。


私は人の顔とか覚えるのが苦手で、クラス全員の顔を覚えていないんだ。



ってことで、すまぬ森井の彼女。


覚えてなかったわ。




心の中で謝っていれば。






「茜っ!!!何かされてない!?」





羽依に抱きつかれ、必死の形相でそう聞かれた。




何か?



「えと・・・靴箱にゴミがいっぱい入ってた、けど・・・」



羽依の勢いに怯みながらもそう言えば。




羽依はぐいっと眉を吊り上げ、私から離れて、森井の彼女に詰め寄った。






「どういうことなの!?佐藤(サトウ)さんっ!!!

さっきから言ってるけど、茜は何かしたワケ!?」




羽依こえぇ・・・



なんて思っていれば、佐藤らしき女がキッと羽依を睨みながら言った。


というより、叫んだ。




「したわよっ!!!千春先輩の周りをうろちょろうろちょろ・・・

しまいには手を繋いで下校!?

いい加減にしなさいって話よ!!!

その"制裁"をしたまでよっ!!!!!!」




佐藤もこえぇ・・・



っつーか、私、害虫みたいな扱いなんだが。