俺様王子様に振り回されて

森井の黒い瞳が、私を捉える。



それだけなのに。




胸がいっぱいになった。


もう、目が離せなくなった。






森井は不機嫌そうに、私に言う。


「この俺と視線合わせないとか、ムカつくんだよ。

俺の言うこと聞けって言ったろ。」





・・・・・・あ。



そうだった。私、奴隷だった。


今気付くとか私って馬鹿な奴ー。





「これはお仕置き決定だな。」


「なぬっ!!!」



厳しいだろ!





「お前に拒否権は?」


「・・・・・・ナイッス。」


「よくできました。」


「・・・・・・・・・ドウモ。」



って、マジかよおい。




森井はニコッと綺麗に微笑んで、言った。



「明日、俺のために弁当作って来い。

そんで、昼は屋上で一緒に食べる。いいな?」




・・・・・・・・・な・・・


なんだと!?



「よくないっ!!!」


羽依との貴重な時間が!!!




「拒否権は無い。」



ソウデシタネー


って、酷すぎるだろこの野郎。




パクパクと口を開けたり閉じたりしていれば。



「・・・・・・決定、な。

じゃ、帰るぞ。」




強制的に話が終了となり、手を握られた。