俺様王子様に振り回されて

ガツンと言えば、三木はふむふむと頷き始めた。




で、次の瞬間。





「じゃ、羽依。放課後デート行こっか♪」



「え!?」「あぁ!?」





なんでそうなった!?




三木は笑って、シャアシャアと言った。



「だって、ココみたいに人がいなければいいんでしょ?

それに、前の放課後デートは誰かさんのせいで中止になったし?」







・・・・・・前の放課後デート・・・



確か、その時私は、奴、もとい森井のせいでパニックになり、

羽依が助けてくれた・・・んだよな。


初めて森井の存在を知った日。








・・・・・・三木、根に持ってたんだな。



どんだけ溺愛してんだよ、とかツッコみつつも、羽依が幸せそうで嬉しくなった。





ま、可愛い羽依のためだ。


しょうがねぇ。




「分かった。行ってこいよ。」


「ありがと石原!じゃあな!」


「おう!」



「って、え?え?え?

ほ、放課後デート・・・?」





三木は、未だによく状況を理解できてない羽依の手を引き、去って行った。







・・・・・・でもな、羽依・・・本当は、一緒に帰りたかったぜ?


少し寂しいと感じながら、私は2人を見送った。






2人が完全に見えなくなってから、私も帰ろうと歩き始めた。



―――その時だった。