やっぱ兄貴大好きっ子でもあるもんなぁ。



と納得していると、栞さんがビシッと私の顔に指を突きつけた。








「茜ちゃん。

諦めないんなら、攻めなさい。

複数の彼女がいたって、思いを貫き通すのよ!」




栞さんの言葉に気おされつつも、そういえば、と思った。



「あの、栞さん。

森・・・じゃない、私の好きな人、複数の恋人と別れたみたいなんだ。」





私の言葉に、栞さんがキョトンとする。



「どういうこと?」



「実はですね・・・―――」





私がさっきまでのことを話すと、栞さんはふむふむと頷いた。








「なーるほどねぇ・・・。

見えてきた見えてきた。

ソイツの彼女達、いい子じゃないの。」



頷きながら言った後、栞さんは私をじっと見て、苦笑した。






「恋愛経験値0、なんだもんねぇ・・・。

気付かないか、普通。」


「?何にですか?」


「いやいや、こっちの話。

ま、でも、私の出番は無さそうね。」




首を傾げた私に、今度は栞さんはニヤニヤと笑った。







「ご報告、よろしくね!」


「あ、あぁ。」



なんかよく意味が解らないが、とりあえず頷いた。





「じゃ、私は帰るね!」



栞さんはピシっと手を上げた。





「え、もう!?」


目を見開けば、栞さんは眉を八の字にした。




「これ以上迷惑もかけられないし・・・」


「迷惑だなんてそんな・・・・・・」




そう言いかけた時、ガチャッとドアが開いた。




司が、ひょこっと顔を覗かせて言った。