俺様王子様に振り回されて

切実な瞳。


どうして、こいつらも前に進めないんだ?




疑問を、口に出しはしなかった。


その疑問は・・・・・・私のするべきことをしてから聞こう。





私は、頷いた。



「私――伝える。」





私の答えに、彼女達は満足そうに微笑んだ。


肩から、セクシーな女子の指が離れる。








「そうですか。それならいいんですよ。

・・・今まで、ごめんなさい。」


可愛い女子が、そっぽを向いたまま、素っ気無く言った。



・・・・・・へ・・・


今まで、ごめんなさい?



「伝えなきゃ、許さないからね。

・・・今まで、ごめんね。」


ついでというように、呟いた佐藤。



今まで、ごめんね?





「ちゃんと伝えるのよ、石原さん。

・・・今まで、ごめんなさいね。」


さらりと言ったセクシーな女子。



今まで、ごめんなさいね?






それから、全員が一言言って・・・さりげなく謝った。



え、え、え、え、え?





目をパチクリしている私。



セクシーな女子が笑って、代表して言った。




「本当、ごめんなさいね。

私、あの時は憎くて仕方なかったの。


でも今は、感謝、してるわ。」




感謝?なんで――








『千春(先輩)に、教えてくれてありがとう。』





全員が、声をそろえて爽やかに言った。