俺様王子様に振り回されて

私は、じっと彼女達を見つめた。




答えは分かっている、というように、微笑みを浮かべる彼女達。








なんだか無性に、泣きたくなった。




全員が全員・・・1人の男を愛して。


全員が全員・・・振られるなんて。






1人に一途だということは。


そいつ以外に悲しむ奴らがいるってことだ。




恋って――残酷だ。









私は、全てを理解している、というような彼女達に、真っ直ぐに言った。



ド直球。ストレート。


ごまかしたりなんてしない。できない。

する必要もない。












「私も・・・森井が、好きだっ・・・・・・」



かすれた声。




恥ずかしさは、無かった。


だって全員、同じ人が好きなんだから。








彼女達は柔らく微笑んだ。




「やっぱり、ね。」


ふふっと言ったのは、セクシーな女子。





「その気持ち、伝えた?」


真っ直ぐに私を見たのは、佐藤。




ふるふると首を振る。


「伝えてない。でも、そんなに好きな奴がいるんなら・・・告白も、迷惑かもな・・・・・・。」




私の言葉に、全員が目を見張った。



え、なんでだよ。




「・・・・・・私、変な事言ったか?」


首を傾げれば、全員笑い出した。





え、なんでだよ。