俺様王子様に振り回されて

えー・・・結局こうなんのかよーっ


と思っていられたのも束の間。





「ムカつくわよ。

だって、あなたのせいで、私達っ・・・


千春と別れなくちゃならなかったんだからっ!!!」





セクシーな女子が叫ぶように言った言葉に、目を見開いた。





「わか・・・れた?」


呆然と呟いた私に、彼女達は目を丸くした。




「え・・・・・・千春から聞いてなかったの?」


「聞いてない。」


佐藤の口から出た言葉に、私は瞬時に頷く。





聞いてないって!

そんなん!


聞いてたら、ここまで悩まなかった!





そんな私を見て、可愛い1年生がポツリと言った。



「じゃあ・・・言わないでこのまま悩ませておけばよかったですね。」



な・・・なんてことをっ!!!


可愛い顔でなんてことをっ!!!



「そうねぇ~」

「確かに~」

「だよねぇ~」

「失敗したぁ~」



そして口々に賛成の声が・・・って、なんて奴らだっ!!!







「――ま、勿論"言わなければよかった"なんて、冗談だけど。」



佐藤がさらっと言った。





「は?冗談?」


意味が解らず聞けば、佐藤はニヤリと笑った。




「そう。冗談。最後の嫌がらせよ。」


ふふっと笑う佐藤は・・・やっぱり、綺麗だ。





どうして森井、こんなに綺麗な奴らと別れたんだろう・・・。


そんな疑問が頭の中を過ぎった私は・・・





「なんで・・・お前ら、別れたんだ?」



その問いを、思わず口に出してしまった。