俺様王子様に振り回されて

「来たぜ~」


軽く言えば、佐藤が強制的に腕を掴んできた。



なんだなんだ!?



そしてぐいぐい腕を引かれる。


どうやら、どこかに行ってから話をするらしい。

他の奴らも、スタスタ歩き始めた。







――で。



腕を引かれるまま来たのは、小さな公園。





学校近くにこんな公園があったとは・・・


興味深げにあたりを見渡した。



佐藤の手は、もう私の腕から離れている。






ちいさな滑り台と砂場と鉄棒・・・くらいしかない、質素な公園。



空は、どんどん暗くなっていく。

一体何に急かされているのだろう。


そんなに早く暗くなる必要は、あるのか?







「・・・・・・言いたいこと、言うわよ。」


セクシーな女子が、ポツリと沈黙を破った。




私を見る瞳は、どこか切なそうだった。


そんで、不機嫌そう。




「あんた、ムカつく。」




色っぽい、唇から放たれた言葉は・・・なんというか・・・刺激的だった。





「・・・言いたいことって、それかよっ・・・・・・」



おいおーい。

そんなんのために私を呼ぶなよー。





「言いたくもなるわよ。」


吐き捨てるように言ったのは、佐藤。




じろっと私を睨む。






「ホント、そうですよねぇ。」


はぁ、とため息をつきつつ言ったのは、可愛い女子。




次々と、だよねぇ~というような声が聞こえる。






・・・・・・いじめ?