俺様王子様に振り回されて

一体、そんなこと誰が言えるんだよ?



それはもはや、告白になるのに。



覚悟してない私が、ソレを言う?

無理、無理だ。






でも、じゃあ、私は何を言えば――









森井は静かに私の答えを待ち、私は森井の目から視線を逸らせぬまま、考え込んだ。






3度目の沈黙に耐えられなくなった私が、何を言うか決めてもいないのに、口を開いた時。




森井の、黒い瞳が、動いた。

するりと、窓の方に。





そして、顔に怪訝な表情が浮かぶ。








・・・・・・なんだ?



不思議に思うと共に口を閉じた。

















森井は、突然動いた。




しかも、かなりの瞬発力で、素早く。












―――何が起こったのか、分からなかった。






ただ、森井が近づいてきて。



気が付いたら、温かい人の体温に、包まれていた。







疑問に思うより早く。








ガッシャアアアン!!!!!!








何かが割れた無機質な音が、耳に飛び込んできた。