私達はそれぞれ、立ち直ったのだ。
兄貴は、栞さんに思いっきり、泣きながらビンタされて。
一番初めに立ち直った。
なぜビンタに至ったのかとか、詳しいことは知らないが。
頬を手の形に赤くさせて帰宅した兄貴は、前を向いていた。
私は暴走族に入れてもらったのが始まり。
女だけしかいない、ほとんどが高校生以上の奴らの族。
暴走族といっても、中学生だった私は、かなりの下っ端だった。
バイクだって乗れないのだから、当然だろうな。
けど、そこの暴走族の仲間は、温かかった。
私が、お母さんのことを話した時、総長がぎゅっと抱きしめてくれた。
今でもハッキリ覚えてる。
総長の言葉。
「馬鹿。何、抱え込んでんだよ、お前。
辛いんだろ?ショックなんだろ?
抱え込むんじゃねぇ!
頼れよ。頼っていいんだよ、そういうときは!
いいか?お前はアタシらの仲間だ。
だから、アタシらは全力で支えてやる。」
・・・・・・夜だった。
真夜中。
薄汚れた倉庫の中の、裸電球に。
総長の染めた金髪が照らされ、キラキラ輝いていた。
真っ直ぐに向けられた茶色っぽい瞳に、胸が苦しくなった。
「支えてやるよ。がっちりな。
けど、そんで立ち直ったら、前向いたら。
お前は、もう、ここに来んなよ。
お前のいるべき世界は、ここじゃねぇ。
だろ?
お前には、その気持ち分かち合える、兄弟もいるんだろうし。
そんな兄弟にいつまでも心配かけてんじゃねーよ。」
兄貴は、栞さんに思いっきり、泣きながらビンタされて。
一番初めに立ち直った。
なぜビンタに至ったのかとか、詳しいことは知らないが。
頬を手の形に赤くさせて帰宅した兄貴は、前を向いていた。
私は暴走族に入れてもらったのが始まり。
女だけしかいない、ほとんどが高校生以上の奴らの族。
暴走族といっても、中学生だった私は、かなりの下っ端だった。
バイクだって乗れないのだから、当然だろうな。
けど、そこの暴走族の仲間は、温かかった。
私が、お母さんのことを話した時、総長がぎゅっと抱きしめてくれた。
今でもハッキリ覚えてる。
総長の言葉。
「馬鹿。何、抱え込んでんだよ、お前。
辛いんだろ?ショックなんだろ?
抱え込むんじゃねぇ!
頼れよ。頼っていいんだよ、そういうときは!
いいか?お前はアタシらの仲間だ。
だから、アタシらは全力で支えてやる。」
・・・・・・夜だった。
真夜中。
薄汚れた倉庫の中の、裸電球に。
総長の染めた金髪が照らされ、キラキラ輝いていた。
真っ直ぐに向けられた茶色っぽい瞳に、胸が苦しくなった。
「支えてやるよ。がっちりな。
けど、そんで立ち直ったら、前向いたら。
お前は、もう、ここに来んなよ。
お前のいるべき世界は、ここじゃねぇ。
だろ?
お前には、その気持ち分かち合える、兄弟もいるんだろうし。
そんな兄弟にいつまでも心配かけてんじゃねーよ。」



