俺様王子様に振り回されて

何かあったのは、飯田の方ではなく・・・石原の方だったのではないか?



飯田は、石原を支えなくてはならなかったのではないか?





だからこその。


"そんなこと"

"無理に決まってる"


だったのではないか?





飯田が、動揺していたから、そんな風にしか言えなかったのではないか?







親友。


互いの事をそう呼べる間柄なのだから。









俺はそのことをアキに話してやると、アキは神妙な顔をして頷いた。



「うーん・・・。ありえる話ではあるけどさ。

あの石原だよ?

誰かに支えられなくちゃ駄目なほど、弱ることなんてあるのかな?


想像つかないや。」




首をかしげて言うアキを見ながら、俺の頭の中はりいこ達で埋まった。



あいつらが・・・石原に、かなり悪質な嫌がらせをしたのなら?


それで石原が、傷ついたのなら?




だから――俺の顔なんか見たくないと思ったのなら?





ざわざわと、心が騒いだ。



そんな・・・まさか・・・・・・・


という思いの片隅で。




冷静な自分自身が囁いた。




石原の行動も。

飯田の行動も。


全て・・・



それで"繋がる"と―――。




その囁きは、頭の中に木霊する。







「ハル?どうしたの?」



アキは、頭を抱えた俺の顔を覗きこむ。







もし。


もし、そうだとしたら。