俺様王子様に振り回されて

「私の胸より、石原さんの胸に興味あるってこと?」


「そういうことだ。」




にしたって、なんで俺はりいこと胸の話してんだよ。


りいこは少しは恥ずかしがれよ。



「ふぅーん・・・あの千春がねぇ・・・・・・。


石原さんのどこに千春をそんなふうにさせちゃう要素があったのかしら?

確かに綺麗な顔してるけど。」



不思議で堪らない、というようにりいこは言う。





俺は機械的にりいこの髪をなでながら、言う。



「お前らとは、根本的に違うんだよ、石原は。

俺に媚びないし、真っ直ぐだし、面白いし。見る限り純粋だし。」


「千春のその言い方だと・・・

まるで私達が媚びてて、ひねくれてて、つまらない、不純な女みたいね。」


「違うのか?」


「違うわよ!ひっどいわねぇ。

まぁ、でもちょっとはそうかもしれないかもだけど。」




ちょっとどころじゃねぇだろ。


とか呆れつつ、りいこから離れた。





「もう、いいだろ?」



りいこは残念そうな顔をしながらも、言った。



「えぇ。じゃあ、別れるわ。

石原さんにも、もう何もしない。」




俺はりいこの言葉を聞き終わると、脱ぎ捨てた制服を身にまとった。






「他の女も、これで承諾させろよ。」


冷たく言えば、りいこは俯いて言った。




「勿論よ。私に任せてちょうだい。

・・・・・・けど、ホントにもう駄目なの?」


「駄目だ。もうこれは決定事項。

これ以上お前らが何かやったら、ただじゃおかねぇから。」




屋上の出入り口のドアを開ける。




「・・・・・・・・・ま、どうせ私達は遊びだって分かってたけど。」



諦めたようなりいこのそんな声が聞こえた。





俺は、振り返らずに屋上から一歩踏み出す。