「み、瑞希!」


少し話しすぎたのか、咳が止まらなくなってしまった。


「ゆっくり息吸って、吐いて。吸って、吐いて。」


親父さんは私の背中をさすったり、テンポよく軽く叩いたりしてくれる。

親父さんの言葉に合わせ何回か深呼吸をすると、咳はとまった。


瑞希「はあ、はあ…はあ。ありがとう。…あ、あのさ。」


「ん?」


瑞希「えっと、その…。」


親父さんから目をそらすと、親父さんは優しくいった。


「心配しなくていいよ。フランスに行くかどうかは本人に決めさせるから。」