訊夜「あ、あの。」


稚咲「みんなはちょっとまっててね!」


ウインクをして、私の車椅子を押してくれた。




――コンコン


“5番”とかかれた扉をノックし返事も聞かずに開ける。


「おい、稚咲。返事をするまで入るなと何回言えばいいんだ?」


低くいつでもクールな親父さん。


稚咲「あら、ごめんなさい。それよりも、瑞希ちゃん!」


親父さんは私を少しみると、すぐにそらした。


瑞希「こんにちは。」


カスカスな声で挨拶すると、いつもの親父さんには考えられない優しい声で言った。