瑞希「あ、ごめん。考え事してた。」


昴「もー!早くいくよ!!」


そう言いながら、ドアの前に立っていた私の右手を引っ張る昴。


その姿が犬に見え、犬好きの私はたまらない。
昴に人間にはないはずの耳と尻尾が見える。

抱きつきたい衝動に駆られたが、流石にそれはまずいと思い昴から目をそらした。


昴「瑞希?どうしたの?」


目尻を下げ、心配そうな顔でこちらをじっと見つめる。


瑞希「何でもないよ。それより、皆は?」


左右に少し振りながら答え、周りをみると下っ端以外誰もいなかった。


昴「皆はあの部屋に入っていったよ!」


そう言いながら、2階の1番端の部屋を指す。

多分あの部屋は幹部以上しか入れない幹部室だろう。


昴「皆が待ってるから、早く入ろう?」