それに加え、今まで全体で話し合うことは抗戦の時だけだった。

いつも司会をするのは副総長である斗真。

しかし今日は珍しく訊夜の話。

私と訊夜の雰囲気からして決していい話ではないのは分かるはず。


訊夜「フランスの病院の院長に親父の論文が気にいられたんだ。それで来週フランスに…  「フランスに行っちゃうの?」

「うわーんっ!いやだいやだ!行かないでよ!」

…。」


なるべく簡潔に話す訊夜を遮ったのは泣き出した下っ端たちだった。

泣き声、鼻を啜る音が倉庫内に響きわたる。

号泣している者もちらほらいる。