100度ちかくの湯を全身に浴びた訊夜は当然、全身火傷を負ってしまった。


両親は急いで救急車を呼び、応急処置をした。


救急車で運ばれ、約1ヶ月の入院。


両親はおばあちゃんに何があったかを訊ねると、


「それがよくわからないんだよ。
台所から訊夜の叫び声が聞こえてね、すぐに駆けつけたら訊夜が倒れていてね。
そのときにお前たちが帰ってきたんだよ。」


と答えた。



訊夜の火傷事件後、訊夜はおばあちゃんだけでなく人間が怖くなってしまった。

特に女が。


これが訊夜の過去。

痛々しい火傷の痕は今も訊夜の胸辺りにうっすらと残っている。

それから訊夜は1度もおばあちゃん家を訪れていない。

と言っても、両親はおばあちゃんを1人にするのは心配なようで訊夜を私の家に預け、泊まりに行っている。