そう付け加えると、総長の目から一粒の涙が頬を伝った。

4人の顔はすでに涙でボロボロ。

璃亜からもすすり泣く声が聞こえる。


「じゃあ、なんで敵対していた総長と一緒にいたんだ?」


捺希について話してくれた2人のうちの1人。


瑞希「それ…は。」


そこで私は口を閉じた。

捺希がずっと隠していたことを話して良いんだろうか。


不安げな顔で見てくる総長に胸がキリリと痛くなる。


ごめん、捺希。


心の中で謝罪をした後、もう一度口を開いた。


瑞希「敵対していた族の総長の名前は?」