父さんが横たわっていた。 俺は急いで救急車を呼び、父さんに駆け寄った。 俺が『父さん!』と呼びかけると、 父さんはうっすら目を開き、 『今まですまなかったな。克。 ここは危ないから、早く逃げなさい。 奴が来る。』 そう言って目を閉じた。 何度呼びかけても、父さんは返事をしてくれなかった。 止血をするため、白いタオルを洗面所から持ってきた。 リビングに戻ると、さっきまでいなかった、 母さんと知らない男がたっていた。 母さんと男の服は真っ赤に染まっていた。