克「玄関のドアの鍵が開いていた。 それはいつものこと。 夜寝るとき以外は鍵を開けっ放しにしていた。 いつものことなのに、日常茶飯事なのに、いやな予感がしたんだ。 家に入ってみると、いつもの光景。 なんにも変わっていない。 でも、なんか違和感を感じた。 人の気配が全くない。 話し声も聞こえなければ、喧嘩の音もない。 可笑しい。 それに、なんか臭い。 人間の血の独特な匂いが漂っている。 まさか、と思い、恐る恐るリビングのドアを開けた。 そこには、血だらけの