震える唇をなんとか動かし、


「捺希のことを…。」

捺希。

その名がでると、‘男’は、男2人を殴った。


璃亜「きゃっ!」


璃亜は目を逸らした。


瑞希「ちょっと!何仲間殴ってんの?」


「黙れ!」


私を睨むその目は、
死んだような、感情がない、冷たい目だった。



あぁ、私と同じ目をしている。


悲しくて、苦しくて、辛くて、
裏切られたことを認めたくない。

でも、現実を受け止めなくてはならない。

何もする気になれなくて、人形のような生活。
でも、心臓は動き続ける。


まるで、生きている人形のようだ。