なんで? ねぇ、どうしてそんな瞳をしているの? 相手は敵なのに… 私と璃亜を誘拐した、憎むべき人なのに… ねぇ、その瞳が気になるのはなんで? ねぇ、身体が動かないのはなんで? ねぇ、なんで―…? いろいろな疑問が頭の中を駆けめぐる。 灰色のコンクリートに水滴が落ちる。 …え? 涙? 泣いて…る? 頭の中にある疑問を一旦、頭の隅にやる。 コンクリートを濡らしたのは私ではなく、2人の男。 悲しい目をした男たち―…‥。