魅惑のキスネコ!【完】


リビングに入ると
期待してたとおりポパイの姿はない。


ナイスポパイ!


心の中でガッツポーズ。
案の定、ベランダが開いていたから
またそこから出たんだろう。

おばちゃんはリビングを見渡し
誰もいないのを確認すると
いそいそとテーブルの上で
お菓子を広げ始めた。


あたしはキッチンに入り
迷惑な訪問者のために紅茶を入れる。

早く帰ってくれればいいけど・・と思いつつ。



だけど結局
おばちゃんが帰ったのは3時過ぎだった。
ポパイが出て行ってから3時間以上経っている。

”そろそろ洗濯物取り込まないとー”
とかいいながら立ち上がるおばちゃんは
マイペースというかなんというか。

あたしは喜んで
彼女を玄関から見送り
マンションの廊下をきょろきょろと見回す。

ポパイの姿はない。

どっかに隠れてるのかな?と思って
玄関の鍵はかけないでおいたけど
結局ポパイが戻ってきたのはそれからさらに
2時間経ってからだった。