何も言えない。
ポパイから目も離せない。
まるでポパイの魔法にかかってしまったみたい。
ポパイはそっと目蓋をとじ
あたしの手の甲にキスをした。
唇の感触がポパイの存在を強く主張する。
「ごめん、俺また嫉妬してる。
月曜はいつも自分を抑えるのが大変なんだ。」
「そう、なの?」
「うん、だって日曜はいつも
カナがジンとどこかに出掛けちゃうからさ。
帰りもすごく遅いし。」
「でも・・」
あれは、ジンがポパイのためにしてるんだよ
「だからって、一日中ジンといちゃついてるのを見るのは
もっと嫌だけどな!
だから、出掛けてくれて助かる。
俺って、矛盾してるよな」
「・・・」
「だからそれ以外の日はそのぶん俺といっぱい遊んでよ。
いっぱい一緒にいて欲しい。
夜は・・ジンに譲るからさ。」
「ポパイ・・」
「あ、今は、ってことな!
俺まだカナの事、諦めてないし!」
悪戯っぽく笑うポパイが
なんだか痛々しくみえてしまうのは
あたしのただの自惚れなのかな。
