「・・・ごめん、カナ。
困らせてる?」

ポパイが心配そうにあたしを見る。

「あ、うぅん・・
大丈夫、ポパイのせいじゃないし・・」

もとはと言えば、寝室空けたままヤッちゃったのが悪いんだ・・。
ポパイを傷つけちゃったから。

「カナには悪いけど、俺は人間になれてすげー嬉しいよ」

その言葉にあたしは顔をあげる

「えっ」

「カナをジンから取り戻す、いいチャンスだと思ってる」

「・・・ポパイ」

「カナが無理って思っても、振り向かせてみせる。
俺はそのために人間になったはずだよ。
だって世界で一番カナをよく理解して愛してるのは俺だもの。」

ポパイがあたしの手をぎゅっと握る。
ウェイトレスの子達がきゃぁっ・・と言うのが微かに聞こえた。


大好きな大好きなネコのポパイ。
しゃべれたらいいのになーなんて夢をみたりもした。

そんな夢が叶ったのに。
信じられないくらい素晴らしい奇跡が起こったのに。
正直困惑している自分がいる。

でもジンを裏切ることなんて絶対出来ないよ。