「多分・・嫉妬。」

「・・嫉妬?」

「俺、あの日見ちゃったんだよね。
カナとジンが交尾してんの」


!!!!!!!!!!!

「しっ・・シーーーーーーッ!!!;」
そんな大きな声で交尾とか言わないでッ!!;

慌てるあたしを無視してポパイは続けた。 

「かなりショックだった。俺、あんな気持ち始めてだ」
まっすぐあたしを見つめる。
あたしはつい、視線を逸らした。


「それで、もう見たくなくて。
その場を離れようと思ったんだ。
でも、いつもみたいに走ったらいつもと違くて
腕が廊下の花瓶に当たって。
落として割っちゃった。ゴメン」

あたしはぶるぶると頭を横に振る。

そっか・・あの時ポパイは人間になったんだ。

ネコの姿であの重さの花瓶を落とすのは無理があるけど
人間の姿のポパイだったら話が通る。


あたしは水で喉を潤し、質問を続けた。


「昨日は、なんでいきなりネコに戻ったの?」