週末になり、
宣言通りあたし達は
車でシュンに会いに行く事にした。
シュンの実家は海で有名な場所。
同じ県内だけどだいぶ遠くて
どちらかというとうちは都市部よりで
シュンの実家は海で有名な郊外。
初めてシュンの家がこの場所だって知ったとき
あたしはまだまだショックが強く残っていて
泣いてしまった。
だってこの場所は
シュンと一緒に行ったあの海と同じ市内だったから。
シュンのことを知れば知るほど
色々なピースがカチリとはまる。
「カナ、大丈夫?」
車を運転するジンが
心配そうにあたしを横目で見ていた。
あたしは慌てて笑顔を作る。
「うん、ゴメン。
色々思い出しちゃって。
あたし、シュンとあの海行った事あるんだよね」
シュンと過ごした日々を
今ではちゃんと事実だったと受け止めてくれているジンは
頷きながらあたしの話を聞いてくれた。
興味深そうに、時には笑いながら。
カナは本当に単純だよなって、
苦笑いもされるけれど。
あたしは車の中で
シュンと海に行った時のことを
ジンに初めて話した。
