床の間に誘導され
あたしとサヤカちゃんがそこに入ると
ジンがぴしゃりとふすまを閉める。
テーブルの上を見て
やっぱり、と思った。
あたしのと同じ写真と書類
そして封筒が広げられていたから。
そしてその封筒も同じように
「親展」と大きく書かれ
あて先はジンになっていた。
「もう逃げようとなんてするなよ。
ちゃんと、僕らの前で説明してくれ。
・・サヤカ。」
ジンの言葉に
あたしもサヤカちゃんに目を向けた。
サヤカちゃんは何も言わずに
テーブルの上の写真や書類を
ただ見つめている。
凍った空気の中
サヤカちゃんがポツリと
言葉を漏らす。
「説明ったって・・。
それが全てじゃん。
今更説明する事なんてない。」
ふふんっと鼻で笑うけど
余裕なんて
一欠けらもない表情だった。
「じゃぁこれが事実って、
認めるのか!?」
ジンが書類を掴み
サヤカちゃんに突きつけた。
サヤカちゃんはそれを
バッと掴み取る。
「だったら何!?
だまされるほうが悪いんじゃない!
マジ最悪!!あの野郎ッ!!
頭おっかしいんじゃないの!?」
ビリビリとそれを破り始めた。
「無駄だよサヤカちゃん。」
あたしはカバンから
封筒を取り出す。
「あたしにも同じの、
届いてるから。」
「!!」
サヤカちゃんはそこでやっと
あたしがここに来た理由を
察したようだった。
