あたしは車を走らせ
ジンの実家に向かった。

一睡もしていないのに
目が変に冴えて顔が火照る。


1時間程でそこに着き
あたしは気持ちをどうにか落ち着けようと
玄関先に立った。

ドアベルを押そうとしたその瞬間
引き戸の玄関が
ガラッと勢いよく開いた。


「!!!あ」

危うくその人とぶつかりそうになる。
でも彼女はピタリと動きを止めた。


「カナ・・さん!」

「サヤカちゃん・・」

玄関から勢いよく顔を出したのは
サヤカちゃんだった。

サヤカちゃんは
驚きと嫌悪の顔であたしを見る。

「どいてください」


あたしを押しのけ
出て行こうとする彼女を

あたしは手首を掴み
引き止めた。


「待って。」

「・・・。」

「話があるの。」


サヤカちゃんは
振り向くことさえ
しなかったけれど
歩みを止めた。