”カナへ――――
今これを読むカナは
俺のせいで深く傷ついているんだろうな。
本当に申し訳なく思っている。
この書類や写真は
まだカナと出会う前の俺が
集めていたものです。
こういう使い方をするなんて
カナと出会ったばかりのころは
考えてもいなかった。
でも今は、カナに使って欲しい。
だからどうか
ジンと仲直りしてくれ。
――――瞬”
その短い手紙に
あたしは何度も目を通す。
そしてまた、
写真に目を向けた。
意を決して、
あたしはそれらすべてを
丁寧に封筒に戻すと
それを持って家を後にした。
シュン、ありがとう。
これがあればきっと
あたしとジンは大丈夫だ。
