この子が、ポパイだなんて。

狐にツマまれた気分ってまさにコレか・・。
ネコだけど。


目の前でぱくぱくと食事をする人間の姿をしたポパイ。

髪の毛の色は、よく見ればポパイの毛の色とそっくり。
小さな顔に大きな目は、愛らしいポパイ、そのまんま・・。

あたしの視線に気づき、そいつはパッとあたしを見上げる。

「何?」


「・・本当にポパイなの?」


「だから、そうだっていってんじゃん。もぐもぐ」


食事中のそっけない感じもポパイそのもの。


「っ・・・ぽ」


「?もぐもぐ」


「ポパイーーッッ!!」


ガバッとあたしはポパイに抱きつく。


「んぐっ!」

ポパイは喉を詰まらせるような音を出しながら
あたしに抱き付かれる。


「信じられない!
ポパイが人間になるなんて!
しかもこんなイケメンなんて!
可愛いーーっ嬉しいーーッ!」


ぎゅーーっと抱きしめて後ろ髪を撫でた。


「おいおい・・さっきと全然態度違うんですけど・・?」


「だって・・だって信じられないよ!
ポパイとこうやって喋れるなんて。。嬉しい」

あたしがそういうとポパイもそっとあたしの背中に手をまわす。


「俺も、嬉しい。
カナにずっと大好き、って言いたかった」

そういって、ポパイもぎゅっとあたしを抱きしめた。