タタタタタっと身軽な足音をさせて
尻尾男が立ち去る気配がする。


あたしはトイレの鍵をあけ、そっとトイレから出た。

そして、寝室とは逆側のリビングに戻る。
ポパイの餌場にポパイはいない。
リビングを見渡すけど、やっぱりポパイはいない。

やれやれ

まさか本当に、そういうことなのかな・・



背後に気配を感じてあたしは振り向く。

そこには昨日、ジンが使っていたバスローブを着た
さっきの尻尾男が立っていた。


尻尾男の両サイドに跳ねた髪は
なんだかネコの耳を思わせる。

尻尾は相変わらずゆらゆらと足の間で揺れている。



「ポパイ・・・?」


「何、ご主人様?」