魅惑のキスネコ!【完】


洗い物をしているうちに
ジンは手際よく
デザートと紅茶の準備を終わらせた。

「大丈夫?
なんか持つよ。」

「いいって。
ほら、カナ先行って。」

ジンに促され
あたしは手ぶらでリビングに戻り
ジンはトレーで準備したものを運ぶ。


「片付けすみません。
手伝わなくて。」
サヤカちゃんが申し訳なさそうにいった。

「もう。いいってばサヤカちゃん。
自分の家だと思って寛いで?」

「そうだよサヤカ。
うちでそんなネコかぶって
どうするんだよ。」
ジンがサヤカちゃんを挑発する。

「ネコ被ってないもん!
お兄ちゃんの意地悪っ」


「はいはい、兄妹喧嘩はそこまでね?
シュークリーム食べよっ」
あたしがそう言うと
サヤカちゃんは目を輝かせた。

「あっ!これ有名なやつですよねっ!
わぁ!おいしそーうっ」

「サヤカこれ好きだよな。」

「うんっ。いただきまーす」

ぱくっと一口食べると
サヤカちゃんは
恍惚とした表情を浮かべる。

「おいひーいっ!」

あたしとジンは
そんなサヤカちゃんを見て微笑み
それから自分の
シュークリームに手をつけた。