「よし!じゃぁみんなで飯でも行くか!
こいつのお陰で試合にも勝ったしな!」
上司の人が
グイッとポパイの首に腕をまわした。
ポパイは照れくさそうに笑う。
「そうそう!すごかったんだよ本当に!」
アリサが思い出したように
あたしに言った。
「カナたちが行っちゃった後も
動きが本当にすごかったの。
ごーる・・トライ?もまた決めたんだよ!
私、ラグビーがあんなに面白いなんて
全然しらなかった!」
興奮気味なアリサは目をキラキラさせて言う。
ルールも知らない人を
こんなに夢中にさせるなんてよっぽどだったんだな。
あたしも見たかったけど
それはしょうがない。
ジンの身体とは変えられないし。
「そうなんだ!すごいねっ」
「うん、シュン君本当足速いね!」
「ね、本当に・・・・・」
・・って
・・え?
今なんて・・。
「しゅ・・ん??」って誰?
あたしはそのまま口にする。
アリサは得意気に言った。
「そうなの、今日やっと自分の名前言ったんだよ!
っていうか、そうやって自己紹介してたの
聞いてただけだけど。」
アリサの視線の先にはポパイ。
ポパイが自分の名前を”シュン”と
みんなの前で名乗ったらしい。
でもなぜシュン・・?
不思議に思いながらも
ちょっとした可能性を見つける。
そういえば最近ドラマの再放送を
よくみていたな・・と。
その俳優の下の名前が”シュン”だった。
あたしの頭の中であっという間に解決。
単純なヤツ・・・。
