魅惑のキスネコ!【完】


その総合病院でジンの処置が終わり
駐車場に戻ると

ポパイとアリサ、
そしてチームメイトの人たちも
その駐車場に到着していた。


「大丈夫か?」

「ハイ、やっぱり折れてましたけど。」

「お前も鼻変形組の一員だな笑」

「まぁ足とかよりは良かったよな。
お前顔面からぶつかったもんなぁ」

「俺ちゃんと見てなかったけど
どーやって折ったの?」


チームメイトに取り囲まれ
ジンはあっと言う間に質問攻めだ。



「カナ」

名前を呼ばれて振り返ると
そこにはポパイが居た。


「ポパイ!
ごめんね、置いて行っちゃって。」


「や、大丈夫だけど。」

そう言ってジンに目を向ける。

試合で乱れた髪を後ろにかきあげているポパイ。
その横顔に一瞬見惚れてしまう。


「ジンさんどうだった?」

アリサの一言がそんなあたしをはっとさせた。

「あ、うん。
やっぱり鼻折れてたみたい。
でも処置したから大丈夫。
手術みたいのもしなくて大丈夫だって」

「そっか、不幸中の幸いだね」
にこっとするアリサにあたしも頷いた。



「大丈夫ですか?
わっ・・痛そうっ・・!」

女の子達がジンに話しかける。
ジンはそれに気づくと笑顔で答えた。

「痛かったよ。でももう大丈夫。
心配してくれてありがとうな」

「いえ、そんな・・」

「でも本当、無理しないでくださいね。」

「明日出勤できるんですか?」


ここでも見事に質問攻め。
みんなに心配されているジンは
きっとみんなに好かれてるんだな。

そう思うと妻としてなんだか誇らしい。