「ジンは女子社員から人気あってさ。」
「部下なだけです」
「今日だって何人かは
ジン目的で試合を見に来ていたんだよ」
「それはないですって」
「ジンの嫁さんの事
今日始めて見た新入社員の子達なんて
もうみんなぎゃぁぎゃぁ言ってたわ。」
「変な嘘辞めてくださいよ」
鈴木さんの言葉に
いちいちつっこみを入れるジン。
「あ!そういえば
後半戦始まってから
あたし、すごく視線感じてました」
あたしがそう言うと
鈴木さんは「ほらな!」と笑う。
ジンは反対に「嘘だろ」と
視線を逸らした。
「ハーフタイムで
ジンがさっさと嫁さんの所行っちまうから。
俺達冷やかしてたんだよ。
それを聞いてたんだろうな」
「なるほどー」
頷くあたしをジンが小突く。
そして車はあっという間に病院に着いた。
もっと話を聞きたかったのに残念。
