「病院、いかなくていいんですか?」
「行くよ。今車待ってるんだ。」
「そうなんですか・・。
本当に痛そう・・。
無理しないでくださいね?」
「うん、ありがとう。
カナもごめんな、心配かけて。
怪我しないって、約束したのにな。」
突然話を振られてあたしはぶんぶん首を振った。
「う、ううん。いいの。
あ、いいのってそうじゃなくてそのっ」
慌てるあたしに優しくジンが微笑む。
あたしもつられて苦笑いをした。
「あ、ホラ。カナのイトコ!
パスくるよ」
ジンがグラウンドを指差した。
つられてその先を見る。
綺麗なラインが横にパスをまわしている。
ラグビーでよく見るパスのスタイルだ。
一番端っこにいるポパイにボールがわたる。
ポパイの足の筋肉にグッと力が入り
その地面を蹴り上げた。
横から来た相手が思いっきりポパイの背後で転ぶ。
「!アイツまじ早いな!」
ジンが感嘆の声をあげた。
同時に観客も驚きの声を漏らす。
