「ジン。」
ポパイの声がしてはっと振り返る。
ポパイいつの間に・・!
てっきりアリサと一緒かと思ってた。
「ジン、俺割りと足速いけど。」
一瞬ぽかんとしてあたしもジンもポパイを見る。
ポパイはちょっとイラッとしながら続けた。
「さっきから見てたけど、
基本あのボール・・?みたいなの持って
あっちのラインに走っていけばいいんだよな?」
ポパイの言動に驚きながらも
ジンは口を開いた。
「あ。あぁ・・まぁ僕のポジショ」
ジンが話し終わる前にポパイはスタスタとメンバーの輪に歩み寄る。
最後まで喋れなかったジンは
あっけに取られながらその後姿を見送るしかない。
ごめんジン・・
ポパイ自由すぎるよね。知ってる;
ポパイは輪に近づくと
さっきジンを心配してくれていた上司のような人の肩を叩く。
「俺でよければ、ジンの変わりに出るけど。」
「え!」
周りに居た全員の視線がポパイに集まった。
「ラグビー、やった事ないけど。
コレ持って走ればいいんだろ?」
