「あいつらだろ?」

「う、うん。
でも別になんかされたわけじゃないから。」

「俺が聞いてきてやるよ。」

そういうとポパイは女の子達のほうに向かって歩き出す。


「ちょ!ちょっとポパイ!
いいよ、やめてよ。
気のせいかもしれないしっ」

「どんな気のせいだよ。
カナに対する視線、あからさまじゃん。
俺が気づかないとでも思った?」

「え!気づいてたの?」

「は?当たり前だろ。
誰だと思ってんの」

「・・・・・」
野生の勘・・?
いや、洞察力か。恐るべし。


「でも、本当にいいから。
ポパイ、ここに居て。」

ポパイの腕を掴んでそう言うと
ポパイは眉間にしわを寄せたままあたしを見る。

あたしも負けずにポパイの目を見続けた。


「・・分かったよ。」

ポパイは根負けして自分の位置に戻った。
あたしはホッと胸を撫で下ろす。

大事にならなくて良かった。