「初恋、ね……」 家に帰って机に向かったとき、昼休みのやりとりを思い出した。 モヤモヤと形のない何かが頭をめぐる。 偶然の出来事だった。 机の中からノートを1冊取り出したとき。 床に落ちた小さく折り畳まれた白い紙。 開かなくてもそれが何なのかわかった。 紙を拾いたいのに。 手が震えて上手く掴めない。